安倍首相 強気の目標設定はどうなる?



安倍首相が内閣改造を前に、安保法制後の目標を明示しました。
経済でなんとか参院選までに立て直そうということですが、、、

  • GDP600兆円
  • 介護離職ゼロ
  • 三本の矢
  • 女性や高齢者の活躍推進
  • 幼児教育の無償化
といったところがあがっていますが、一番怪しいのは三本の矢。

三本目の矢はいつ???

先日のG20で麻生財務相が中国経済の足踏みに「構造改革を」と要請したら、諸外国から冷笑されたというのは日本以外では広く知られている。

中国以下の日本経済 構造改革が必要なのは日本



何しろ、中国経済は伸びが鈍化しているとはいえ、7%近い成長率を維持している
一方、日本では足元の景況判断を引き下げ、8月の消費者物価はマイナスだ。

遅かれ早かれ日銀の再々追加緩和があるかもしれないが、できれば内閣改造前に安倍・黒田会談があってほしいところだ。 
 

GDP600兆円も無理


介護離職ゼロも難しい。企業側の協力が欠かせないが、大手企業と中小企業ではだいぶ体制や余力に差がある。どちらかといえば中小企業の経営効率化・近代化に政府が本腰を入れるのが大事だと思うが、選挙の様子を考えれば自民党からは大企業しか相手にしていないので、なかなか進まない。確かにGDPの多くを稼ぎ出す付加価値の高い企業は大企業だが、実際に多くの人が働いているのは中小企業だ。つまり、GDP600兆円と介護離職ゼロはそもそも限られたリソースや予算を活用してやる政策として考えると、順番を間違えるとまったく逆のものになってしまう恐れがある。

それだけではない。
名目GDPは2014年度に約490兆円だったが、今後600兆円まで増やす目標を掲げる。内閣府が7月に公表した試算では、実質2%・名目3%以上の高い経済成長率が続く場合、20年度に594.7兆円まで増える見込みだが、総裁の任期である18年度時点では554.3兆円にとどまる。http://jp.reuters.com/article/2015/09/24/abe-gdp-ldp-idJPKCN0RO08V20150924

実質2%成長・名目3%の成長を「続け」ないといけないわけだ!!
軽減税率を嫌がっているようでは消費税10%のタイミングでマイナス成長は確実。
あの地獄が再来するのを甘利経産相がヘラヘラと傍観しているのが意味わからん。

携帯電話料金引き下げ要請は物価には大幅マイナス。株価もマイナス。


とくに、物価の点では今月飛び出した突然の携帯電話料金引き下げ要請がひどかった。

本来、民間企業の話なんだから、規制緩和して、競争させることで自然と価格競争が生まれるように仕向けるのがリベラルな経済運営だろう。

それを逆に総務省が圧力をかけるということでは健全な競争は阻害される。
ソフトバンク・ドコモ・auがいやいや出した値下げ策は値下げに見えて実際そうでもないし、実効性も低い。
iPhone6s予約合戦のひとつのねたに利用されただけに過ぎなかった。

しかし、株価にはしっかり影響。各社8%近い値下がりとなった。
国立競技場見直しの際にはいろいろ慎重に影響など確認したうえでの決断だったが、
今回は、どっかから「若者向けに」と横知恵を入れられ、何も考えず発言してしまったようだ。